
どっさりと降り積もった雪に閉ざされている北の国では、あちこちで雪にまつわる催しが行われています。北海道では「さっぽろ雪まつり」。「千歳・支笏湖氷濤まつり」。青森では、「弘前城雪灯篭まつり。岩手の小岩井農場では「岩手雪まつり」。新潟では「十日町雪まつり」等々。
雪と同じように冬、気温が低いと氷も張ります。雪と氷・・・普段、私たちはこの二つについてはっきりと区別して考えていますね。だれも雪のことを氷と呼ぶ人はいませんし、ツルツルに凍った氷を雪と呼ぶ人もいません。
でも、同じ対象をさして、ある人は「雪」と呼び、ある人は「氷」と呼ぶ場合もあります。例えば、スキー場でよく見られる、カチカチに凍ったアイスバーンです。大勢のスキーヤーによって踏み固められた雪がスキーのエッジも食い込まないぐらいに固まったものです。
このように、氷のようになった雪は、はたして雪なのでしょうか、氷なのでしょうか?
なじみはありませんが、「雪氷学」という国際学会ももある学問では、はっきりと雪と氷の区別を設けています。
それは、通気性(通水性)のあるものを雪、通気性のないものを氷としています。
詳しく説明すると、積雪は無数の雪の結晶からなっています。フワフワの新雪のときは、この雪粒の間には十分な空隙(すきま)があり、この空隙は互いにつながっています。
積雪は自重によってだんだんとしまった雪に変化し、雪の中の空隙は小さくなりますが、密度0.5g/c
㎥(水の密度)1g/c㎥、氷の密度0.917g/c㎥)程度でしたら、まだ十分に通気性を保っています。
さらに雪がカチンカチンに固まり、密度が0.85g/c㎥ぐらいになると、雪の中のそれまで連結していた空隙は孤立した気泡になり、雪は通気性を失います。この段階で、雪は氷に変化したことになるわけです。
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